課題

オフィス勤務者の過労・精神的ストレス等が社会問題となっている現在、職場におけるストレス対策を目的としたオフィス緑化が期待されています。オフィスの執務空間では無く、休憩空間に着目し、休憩室やフリースペースを緑化することによる勤務者の心身への効果について検証したいとの依頼があり、共同研究を実施したしました。

成果

緑化休憩室の活用によって、対象者の主観的な不安感が低減する傾向が明らかになりました。また、対象者のストレス対処（コーピング）傾向により、緑化休憩室によるストレス低減効果が異なる可能性が示唆されました。この成果については、以下の学会にて詳細を報告いたしました。
五十棲計、大平雅子、中尾聡一、芦谷道子
緑化休憩室の活用が主観的・客観的なストレス指標に及ぼす影響評価、第36回日本ストレス学会学術総会、オンライン、2020年10月（口頭発表）

課題

近年、都市化が急速に進行する中、自然が健康に及ぼす影響を検討する研究が注目を浴びており、自然の中で過ごすことが人間の健康にポジティブな効果を与えることが明らかになってきています。当該企業では、以前より都市化が進行する社会に効率よく自然を持ち込む手段として、樹木の香り成分に着目をされていました。その効果を検証したいとの依頼があり、香り成分を日常的に取り入れた生活をしてもらい、自然の香り（トドマツ精油）が主観的および客観的なストレス反応に及ぼす影響を検証しました。

成果

トドマツ精油を日常的に取り入れた生活を送ってもらうことにより、対象者の主観的なストレス反応（特に疲労・身体反応、うつ気分・不全感）、主観的な睡眠感の有意な改善が認められました。さらに、この傾向は不眠傾向が強い対象者でより顕著でした。この成果については、以下の学会にて詳細を報告いたしました。
福井悠一朗、岡本慎平、五十棲計、金子俊彦、小澤洋平、浦井孝之、大平雅子
トドマツ精油が睡眠およびメンタルヘルスに及ぼす影響、第31回日本睡眠環境学会学術大会、オンライン、2023年3月（口頭発表）

課題

研究に使用するために唾液中のコルチゾールと毛髪中のコルチゾールの測定を委託したいとのご依頼。

成果

山本寛、廣瀬京子、前田輝子、松永洋祐、岡崎哲也、古倉みのり
コロナ禍の面会制限に対するオンライン面会の導入によるストレス緩和の検証の試み、全日本病院協会雑誌、32(1)、2021にて論文発表を行われ、最優秀演題賞を受賞されました。